Initiativesくうねあの取り組み

2025.06.10

【2年目保育士座談会】 私たちが「くうねあ」を選んだ理由(前編)

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保護者ライター執筆
この記事は、くうねあの園児・卒園生の保護者の方に取材・執筆を行なっていただきました。

若手保育士は、日々どんな想いで子どもたちと向き合っているのでしょうか?株式会社くうねあが運営する、広島市にある認定こども園くすの木(以下、くすの木)で働く2年目の保育士4名に、就職先にくすの木を選んだ理由や、他の園との違いについて聞きました。子ども主体の保育を大切にするくすの木だからこそ感じられる、保育の奥深さややりがいを聞くことができました。

ーまずは自己紹介からお願いします!

あいなさん

「西原園舎せせらぎ(幼児)のお部屋担当の、永岡愛菜です。犬を飼っていて、普段は犬と遊んで過ごしています!」

ななみさん

「祇園園舎つち(乳児)のお部屋担当の、黒川菜々美です。趣味はキャンプに行くこととカープ観戦です!」

しおんさん

「お山園舎こもれび(幼児)のお部屋担当の、八幡汐音です。好きなことはお菓子作りと、推し活です!あとリボンが大好きです。服も靴下もアクセサリーも全部リボンを集めちゃいます(笑)」

ありささん

「祇園園舎せせらぎ(幼児)のお部屋担当の、林愛理沙です。趣味はアウトドアなら、ハイキング・ランニング・サイクリングが好きです!インドアだったら読書とか料理・お菓子作りが好きですね。最近は絵本集めも趣味です!絵本美術館巡りもしたいなと思います。」

左からしおんさん・ななみさん・あいなさん・ありささん

ーみなさんすごく趣味が充実していますね!では早速ですが、なぜはじめての就職先として、くうねあ(くすの木)を選ばれたのか教えてください。

あいなさん

「私は周りから『くすの木って園がすごくいいよ』と聞いたことが大きいですね。母も保育士をしているのですが、くすの木がすごくいいって教えてくれて。あと、別の大学の友達が偶然、くみさん(現在全体を統括する小園長)の講義を聞いたみたいで、『すごくいい保育園の話を聞いたよ!』と教えてくれたんです。ちょうど説明会の日が近くて参加したのですが…私が働きたいってイメージする園そのものでした!もうそのときにここに就職したいと思いました。」

ななみさん

「私は森のようちえん(※自然の中でのびのびと保育する団体の呼称)のような場所で働きたいと思っていたんです。ですが、ピンとくる施設がなくて諦めかけていたのですが…大学のゼミの先生に“ひろしま自然保育認証制度”という、森のようちえんのような取り組みをしている園を紹介してもらったんです。そのひとつがくうねあで。見学に行ってみたら、園児がのびのびと過ごしているし、絶対にこれをしないといけないっていう縛りがなく、自由に遊んでいたんです。そういった様子にピンときて、くうねあを選びました。」

しおんさん

「保育士を諦めそうだった自分を救ってくれた場所が、くすの木でした。幼稚園実習が上手くいかなくて、『今度こそ!』とリベンジに燃えて、くすの木での保育園実習に挑んだのですが、結果あまり上手くいきませんでした。落ち込んでいたのですが、くみさんにあたたかいアドバイスをいただきましたし、ほかの先生もすごく優しくて、本当に救われたんです。この園のあたたかい感じが刺さったので、すぐにくすの木に決めました。」

ありささん

「保育理念に共感できたのが大きいですね。自分なりに就職に対して譲れないキーワード、例えば『子どもが主体の保育』『遊びを通して学ぶ』『保育者が学び成長できる』などを決めていて、いろんな園を探していたのですが、くすの木が一番しっくりきました。私は県外から広島へ就職するために、ホームページで情報収集をしていたのですが、くうねあのホームページには良い印象を感じていたんです。実際にくすの木を見学してみると、想像していた以上に安心感のある雰囲気で、自分でここで働くイメージができたというのが決め手になりました。」

ーみなさん、素敵なお話をありがとうございます。実習や見学で別の園の様子も知れたと思うのですが、他の園とくすの木のここが違うなと感じた点はありますか?

あいなさん

「いろいろあるんですけど、働く環境の良さというか、スタッフの和やかな雰囲気や優しい言葉遣いを見ていると、他の園とは違うなと感じています。くすの木は子どもが主体なので、子どもを1人の人間として対等に関わる保育や、子どもを中心とした保育なんかも、いいところだなと1年働いて感じました。」

ななみさん

「私が感じたのは、ルールとかカリキュラムに縛られずに、子どもと対話しながら日々の活動を進めていくという点ですかね。くすの木って、先生とは呼ばないじゃないですか。先生をすごい人にせず、子どもと対等な関係を築いているので、保育園の概念が変わりました!
あとは、毎日散歩に行くところ!公立の園だったら、下見に行って計画を練って、ようやくお散歩に行くところが多いと思うので、毎日は行けないはずです。実際に実習でお散歩に行くことはなかったですね。なので、こんなに気軽にお散歩に行けるんだって衝撃でした!お散歩中に地域の方々がすごく話しかけてくださるところも、素敵だなって感じていて。今の時代、知らない人と気軽に話すことってほとんどなくなりましたが、まだあたたかい光景が残っているんだなって知れたのもうれしかったですね。」

しおんさん

「ななみさんがお話されたように、しなきゃいけないことをガチガチに決められていないので、子どもたちの好きなことを深堀りできるし、その時の興味関心で活動が広げられるところが違っていて、素敵だなと感じています。今担当しているお部屋の子どもたちは、虫や畑に行くことが好きなので、毎日のように外に出ています!他の園だと、『お部屋の活動はどうするの?』となるところを、くすの木は子どもたちの好きなことに寄り添って、とことん深堀りできます。そこがこの園ならではなのかなって思いますね。」

ありささん

「園舎がオープンで、子どもはもちろん大人同士の対話を大切にしている、という2点が違うなと思っています。就活にインターネットで情報収集をしていた際、くうねあはホームページだけでなく、SNSや動画サイトでも情報が公開されていたので、園の様子がオープンになっていて、開けているなと。
他の方もお話されていたように、他の園だと“何歳のこの時期は音楽会がある”と、決められたプログラムに向けて活動をしているのですが、くすの木にはありません。その時期に興味関心があることがあれば、『じゃあみんなに発表してみようか!』というように、子どもの様子に応じて柔軟に活動を決めるところが違っていて、いいところだと思います。」

ななみさん

「そういえば、留学生が園にやってくるのもびっくりしました!」

あいなさん

「西原園舎の子どもたちは、留学生と日々触れ合っているので英語をしゃべっていました!あたまかたひざポンをいつの間にか英語バージョンで歌うようになっていたり(笑)どんな色がすきも、色を英語で答えていて、『子どもって柔軟だな~』と感心しました!」

ーフレッシュな視点での違いを教えていただき、ありがとうございます!では、1年目だから経験が少なく大変だったこともあるかと思います。それらをどうやって解決・克服してきたのでしょうか。

あいなさん

「私は去年乳児の担当をしていたのですが、視野を全体に向けることが難しかったです。少し目を離した隙に、私の隣にいた子どもがケガをしたんです。もう少し体を向けるなど、注意していれば防げたことだったので、『なんで見られなかったの?』と自分を責めました。
でも、くすの木は相談しやすい環境なので、主任や同じ部屋の先生に相談してみたところ、『1年目は失敗して当たり前!それをサポートするのが私たちの役割だから、どんどん成長していこうね。』『こんなときはこう対応したらいいよ。でも、最初は難しいと思うから、視野が狭くなっていそうだなと感じたタイミングで声をかけるね!』など、すごくサポートしてくださって。そのおかげもあって、徐々に視野を広げられるようになったと感じています。もちろん、1年間で完璧にできるようになったとは思っていませんが、ちょっとずつ成長できているなと思っています!」

ななみさん

「とにかく園や子どもたちになじむことが大変でした。私は4月1日からのスタートですが、園も子ども同士の関係もずっと前から始まっているので、その中に飛び込んで慣れるところから始めなくちゃいけなくて…。もう1年間、とにかく必死で走り続けて、去年は何が大変だとか考える余裕もなかったですね(笑)
あと、学生時代とは違い、週5日8時間勤務の日々になったので、そこもしんどかったです。でも、1年経ってちょっとずつ余裕が出てきたので、日々を楽しめるようになってきたなって感じています。去年はそんなことを感じる余裕もなかったから。余裕が出てきたから、子どもとの関係がより築きやすくなったと思いますね。」

しおんさん

「私は子どものケガに悩んだ1年でした。あいなさんのケースと似ているのですが、私の近くで起こったり、一瞬目をそらしただけでも起こってしまったり…。ケガのことは保護者に伝えないといけないのですが、その伝え方にも苦慮しました。『本当にこの伝え方でよかった?』と自問自答することも多くて、すごく悩みました。
それをペアの先輩に相談したところ、本当に親身になって話を聞いてくださって。私はすごく考える性格なんですが、先輩が『そのやり方でいいんよ!』『大丈夫!』と言い続けてくださったから、だんだん自信もついてきたし、自分なりに「このやり方でいいんだ」と思えるようになりました。悩みを相談したら、明確に解決方法を教えてくださるのがすごくありがたかったです。」

ありささん

「子どもとの対話、事務作業の2点が特に大変でした。子どもたちはまだまだ想いを言葉にするのが苦手なので、保育者の私たちが上手くくみ取って、個々に合った関わりをしたいと思っていました。ですが、いざ現場に出てみると、子どもへの対応を瞬時に求められるため、どう声掛けしていいか困るなど何度も失敗したんです。その都度周りに相談したり、先輩がどう対応しているか様子を見て勉強したりと、トライ&エラーを繰り返しながら、少しずつ前進しているところです。
事務作業は考え込んだり、時間配分が苦手だったりするので、思うようにはかどらず…。そこは他のスタッフから『こうしたらいいよ』と具体的なアドバイスをいただけるので、試行錯誤しながら頑張っています。」

おわりに

保育士2年目だからこそ見えてくる、くうねあ(くすの木)の魅力や、初めての現場で直面する壁を、彼女たちはどのように乗り越えてきたのか、知ることができました。
後編では、くうねあの充実した研修制度や先輩からの温かいサポート、そして未来の保育士像について深く掘り下げていきます。

ライタープロフィール

端場さん[PTA 会員No.001]※
2016年生まれの息子と、2018年生まれの娘を持つ、県北育ちの2児の母。子どもは2人ともくすの木出身。くすの木の好きなところは「のびのびとした園風」「園児の主体性を重んじるところ」「親の昼ごはんよりも美味しい、こだわりの給食」。現在ライターとして、さまざまな媒体で記事を執筆。内々に秘めておくだけではもったいない、くすの木の魅力を余すことなく伝えるために、くうねあWebマガジンの運営に参加。「この保育園に通わせたい」「こんな園で働いてみたい」と思っていただける方を1人でも多く増やすのが目標。

※PTAとはParents Team Authors(執筆・保護者チーム)の略で、執筆を引き受けてくれた保護者の方たちのチーム名です。
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