Initiativesくうねあの取り組み
【2年目保育士座談会】安心できる「くうねあ」の環境と、私たちの描く未来(後編)

- 保護者ライター執筆
- この記事は、くうねあの園児・卒園生の保護者の方に取材・執筆を行なっていただきました。

くうねあ(認定こども園くすの木)で働く2年目保育士の座談会。後編では、現場で直面する悩みを乗り越えるためのサポート体制に迫ります。充実した研修制度や、先輩スタッフからの支援によって、彼女たちはいかに成長し、日々の保育に臨んでいるのでしょうか。そして、子どもたちの笑顔と自身の成長を願う、未来への熱い想いにもご注目ください。
ー学生時代に学んだことと、実際の現場とでは、違うなと感じることもたくさんありますよね。そういった悩みを共有できる場所はあるのでしょうか?
あいなさん
「1年目のスタッフが対象の、若草研修がそうなのかなと感じています。研修の場はもちろんなんですが、大園長先生が研修後にみんなで話をするための食事会をセッティングしてくださって、そこで同期内で相談することができました。」
ななみさん
「私たちは同期が4人ですが、乳児と幼児に半分ずつ分かれていたので、もしかしたら人事で工夫してくださっているのかなと思いました。園舎が違っても悩みを相談しやすいように、担当する年齢層を一緒にしているのかな?」
3名
「え!すごい!ななみさんよく見てるね!」
「たしかに、自分だけ乳児で、あと3人が幼児だったら話についていけないし、心細いよね。」
ー研修制度が工夫されているのですね!研修の内容や先輩からの日々のサポートなど、働きやすいと声が上がっているのですが、具体的なエピソードを教えていただけますか?
あいなさん
「入職前まで、研修は話を聞いてレポート提出してというイメージだったのですが、実際は知識を深めるだけじゃなくて、悩みも共有できる場でした。実際、紹介された事例に対し、感想を述べていくという場面があったのですが、ふと“普段の保育でこういうことがあった”と話したら、『そういうことが起こったら大変だよね』『みんなも同じことあった?そのときどうした?』と深堀りしてくれて、悩みを相談できる場にしてくださったんです。
みんな園舎がバラバラだと情報を共有しにくいし、どんな悩みを抱えているのかも知らない。だから、研修の場で悩みを話せるというのは、自分にとってすごく安心できる要素でした。
あと、先輩のサポートでびっくりしたエピソードがあります!ちょっと精神的にしんどかった日があって、泣きそうになりながらも我慢していたんです。それで『休憩行ってきます』とスタッフに声をかけて休憩室に向かったのですが、主任のひさえさん(現・祇園園舎) がひょっこりやってきて、『いつもより声が違ったから心配になって、一緒に休憩を取りに来たよ』って言ってくれたんです。
家族や友達でも声のトーンや表情だけで、いつもと違うって気づくのは難しいのに、忙しいはずの主任の先生がそれに気づいてくれるなんて、本当に衝撃でした!休憩時間中ずっと私の話を聞いてもらっただけでなく、お部屋の先生と相談する時間まで作ってもらえたんです。大人のこともよく見て、気にかけてくださる環境は本当にありがたいです。」
ななみさん
「研修でいうと、くみさんが担当する保育の専門的な内容と、大園長先生が担当する社会人の基本マナー講習、2つの分野が学べるところがいいですね!まだまだ社会人としての振る舞いは自信がない部分なので、研修を通して外に出ても恥ずかしくない人になれると思います。」
しおんさん
「私も研修制度はすごくありがたいです。すごく実践的な内容なので、いざ現場で『どうやればいいかな?』となったときに、研修内容を思い出したり、ノートを見たりすると、ヒントが詰まっているんです。
また、お部屋の環境を見て『何でこうなっているの?』と疑問に思うことがあっても、1年目はバタバタでじっくり考える余裕がなかったんですね。その疑問を研修のときにくみさんに聞いてみると、しっかり意図を教えてくださったので、日々の保育に落とし込むことができました。すごく自分自身の意識が変わる研修内容だなって思っています。」
ありささん
「私は休憩時間の取り方が、すごく助かっています。他の園で働く保育士の友人は、午睡中の園児と同じ部屋で休憩を取ることが多いそうです。しかも、連絡帳や制作をしながらの休憩になるので、全然休憩できないって…。くすの木は保育室以外のスタッフ専用の部屋で休憩が取れますし、もし1時間経たずに戻ると『まだ休憩終わってないでしょ!行っておいで!』と、ちゃんと休憩が取れるよう配慮してもらえるんです。1年目は特に緊張して疲れていたので、リフレッシュの時間を作ってくださって本当に助かりました。」
ー最後に、保育士2年目のみなさんは、今後どんな保育士になりたいと考えていますか?
あいなさん
「常に視野を広く持ちながら、子ども一人ひとりと向き合って、それぞれの個性を大切にできる保育士になりたいです。あとは声掛けの引き出しが多い保育士を目指しています!もし活動をしたくないって子どもがいたときに『~しないとダメだよ』ではなくて、子どもが自分からしたくなるような声掛けやアプローチの仕方を身に付けたいです。まだ引き出しが少ないと感じているので、日々他のスタッフを見て『こんな声掛けの方法もあるんだ』と勉強させてもらっています!」
ななみさん
「私は学生時代の頃から、子どもの気持ちに寄り添いながら、成長し続けられる保育士になりたいと思っていました。実際に働いてみて思い始めたのが、保育士としての仕事を全うするのはもちろんですが、子どもと一緒に楽しむときは楽しむ、悲しいときは悲しい気持ちに寄り添える大人でありたいということ。そうしなきゃいけないのではなく、自然とそういった気持ちになりたいなと。子どもたちの笑顔と自分の成長のために、いろいろなことに挑戦していきたいです!」
しおんさん
「子どもたちと楽しく過ごしながらも、少しでもいいことを手渡せるような保育士になりたいです。1年目はバタバタで、子どもたちと一緒に過ごしているけど、心から楽しむ余裕はなくて、置いて行かれているような気分だったので…。2年目の今年は、子どもの様子の違いに気づけるようになりたいですし、楽しい園生活になるよう、手助けできる大人になりたいと考えています。」
ありささん
「日々の子どもの姿をよく見て、それを保護者と共有し、共に成長をよろこべる保育士になりたいです。そのためには、まず自分の保育に対する想いや考えを確立させたいと思います。くすの木の先輩は、子どもの想いを大事にしているように、大人の想いも大事にしてくれます。私の悩みを聞いてくださるだけじゃなくて、努力してる過程も気にかけてくださるので、すごく励みになります。」
おわりに
今回のインタビューでは、2年目保育士の等身大の悩みと、それらを乗り越えるための手厚いサポート体制が明らかになりました。特に、研修制度や先輩スタッフのきめ細やかな配慮など、一人ひとりの成長を支える温かい環境が印象的でした。子どもたちの笑顔と自身の成長のために、ひたむきに努力を続ける彼女たちの未来に期待が高まります。
ライタープロフィール
- 端場さん[PTA 会員No.001]※
- 2016年生まれの息子と、2018年生まれの娘を持つ、県北育ちの2児の母。子どもは2人ともくすの木出身。くすの木の好きなところは「のびのびとした園風」「園児の主体性を重んじるところ」「親の昼ごはんよりも美味しい、こだわりの給食」。現在ライターとして、さまざまな媒体で記事を執筆。内々に秘めておくだけではもったいない、くすの木の魅力を余すことなく伝えるために、くうねあWebマガジンの運営に参加。「この保育園に通わせたい」「こんな園で働いてみたい」と思っていただける方を1人でも多く増やすのが目標。
※PTAとはParents Team Authors(執筆・保護者チーム)の略で、執筆を引き受けてくれた保護者の方たちのチーム名です。