Initiativesくうねあの取り組み

2025.02.20

業界未経験、4児の保育士ママの挑戦

廣江智子さん

株式会社くうねあが運営する保育園には、園児同様、働き手も多様な人たちが集まっています。元保護者、60歳以上、シングルマザー、ダブルワーク…人手不足が常態化している保育業界で、なぜこんなにも多様な人が集まり、採用がうまくいっているのでしょうか?

その秘訣を働き手から掘り下げていくのが今回の記事です。今回は、4人の子どもを育てながら保育士として働いている廣江智子さんに育児と仕事の両立やくすの木保育園での働き方について伺いました。

保育士を目指したきっかけ

くうねあには子育て世代の保育士ママが数多く在籍しています。廣江さんもそのうちの1人ですが、なんと中学1年生、小学校4年生、小学校1年生、年中(2025年2月時点)と4人の子どもを育てながら働くパワフルなママです。

廣江さんは、出産前はもともとホテル業界で働いていましたが、1人目の妊娠をきっかけに退職し、専業主婦として子育てに専念。4人目の子どもが1歳になる頃に長年のブランクを経て再び社会復帰することを決意しました。育児で忙殺される日々のなかでなぜ未経験の保育士を目指したのでしょうか?

ー廣江さん

自分に何ができるかと考えたときに、せっかくそれまで10年近く子育てを頑張ってきたのと、特に長男に「場面寡黙」という特性があって育児でたくさん苦労してきたので、その経験を活かして誰かの役に立ちたいと思いました。

また、長男が通っていたのは大きい幼稚園でしたので、一人ひとりに寄り添ってもらうこともなかなか難しい場面が多く、結果的に不登園になってしまって…。そういったこともあって、仕事を探していた時に、くうねあの「子育てしやすい社会の実現」や「子ども一人ひとりを大切な人間として育む」理念に共感し、ここで働きたいと思いました。

ご自身の育児経験から「くうねあで働きたい」と保育士を目指した廣江さん。まずは保育士の資格取得からスタートしなければいけないことに、躊躇はなかったのでしょうか?

ー廣江さん

私はもともと性格的に思い立ったら「もうやっちゃえ。飛び込んじゃえ。」みたいな気質があります(笑)。タイミング的にも、当時一番下の子がまだ1歳にもなってなかったので急いで就職するつもりもなく、その間に1年頑張って勉強する時間を取りました。まさに私以外にも、まずは子育て支援員の資格で働きながら勉強し、これから保育士の資格を取ろうとしている方もいらっしゃいますよ。

家庭に合わせた働き方、助け合い

晴れて保育士になった廣江さんですが、入社して最初の2年間はフルタイムの正社員で働いていたそうです。現在は、週3日のパートに切り替えて家庭とバランスをとりながら勤務しています。

ー廣江さん

私がフルタイムで働いているとき、四兄弟のひとりが「学校に行きたくない」となり、もう少し家族との時間を増やしてケアする必要がありました。このように各家庭の事情に合わせて柔軟に働き方を調整できるのも、くうねあで働く魅力だと思います。

また、これまでの保育士インタビューでも度々語られてきたくうねあの「助け合いの文化」にも支えられていると話します。

ー廣江さん

くうねあには子育て中の保育士も多いので、子どもの熱などで突発的に休むことも珍しいことではありません。私も今でも感じますが、最初入社したばかりの時は申し訳ないなと思いながら休みを取らせてもらっていました。でも、「困ったときはお互い様」の空気感や文化が園長をはじめ、上から下まで全体に浸透しているので、私もその一員としてみんなで助け合いながら気持ちよく働けています。

とはいえ、ただでさえハードな保育士の業務を4人の子育てをしながらこなすのは大変ではないのでしょうか?廣江さんからは、意外な回答が返ってきました。

ー廣江さん

「よく4人もお子さんいたら大変ですね」って言われるけど、「いやいや、1人の方が大変なこともたくさんあるよ」って私はいつも思うんです。私が1人目、2人目の時の方がむしろしんどかったので。2人目までは自分の手が届いてしまう分、全部自分1人でやっちゃってついつい力が入り過ぎてしまう。でも、もう4人もいたら開き直って「もういいよ、お好きにどうぞ」って思えるんです(笑)。

くうねあでの働きやすさ、家庭の事情ににあわせたフレキシブルな勤務形態に加え、廣江さんの物事のポジティブな捉え方もポイントになっています。

ー廣江さん

家事なんかは特に「義務感からやらない」ということはとても意識してます。例えば洗濯をするにしても、「これは家族に貢献できていること、嬉しいことなんだ」ってプラスに考えるんです。自分の仕事が家族のためになってるって幸せなことじゃないですか。でも、「やらなきゃいけない」と思ったら、同じことををやるにしても途端にしんどいことに変わるんです。あとは、頑張りすぎない、1人で溜め込みすぎないことですね。

いろんな人がいる集合地

廣江さんは、その前向きな性格も相まって4人の子どもを育ててきたことを特別大変なことだと思ってこなかったそうですが、人手不足になりがちな保育士の求職活動には不利になるだろうと不安は感じていたそうです。

ー廣江さん

やっぱり、一般的にも雇う側からしたら子どもがたくさんいると、その分子どもの発熱などで急な欠勤が多くなるイメージがあって、採用しづらいかな、難しいかなと思っていたんです。ましてや、私の場合は保育士としての経験が全くなかったので。

でも、くうねあではいろんなバックグラウンドを持ったいろんな人がいる集合地だからこそ、いい保育ができるという考え方を持っています。私以外にも、もともと保育士じゃなかった人もたくさんいるし、そういった人たちの様々な価値観、知恵、知識、経験が集まっています。なので、ここでは保育士経験や経験年数は関係ないんですよね。

保育士未経験の廣江さんの研修を担当してくれた先輩保育士の対応も素晴らしかったと話します。

ー廣江さん

最初に一緒にクラスを担当させてもらったのが、くうねあでもう10年近く働いている一番長い方でした。私より年下の方だったのですが、こんな超初心者の私にも面倒くさがらずにちゃんと敬意を示して丁寧に教えてくれました。直接指導するというよりは、子どもに対する接し方を目の前でやって見せてくれて、私がミスをするとカバーしてくれたりもして。お互いを信頼し合いながら、無理せず、少しずつできることを増やしてくれました。

このように、先輩や同僚と助け合いながら保育士としての経験を着々と積み上げてきた廣江さん。いろんな人がいる集合地であるここくうねあで、現在、ご自身はどのように活躍できていると感じているのでしょうか?

ー廣江さん

私にとって長男のときに経験した苦労は大きなことだったので、園児一人ひとりに寄り添った保育や保護者とのコミュニケーションは日々の業務のなかで意識して実践しています。

4人の子育てをしている私には、大きい子もいれば小さい子もいるので、保護者に対しては、共感したり話を聞いてあげられる年齢幅もあります。特に初めての育児だと、悩んだりしたときに「これがずっと続くのかな…」と思ってついつい視野が狭くなったり、暗闇から抜け出せなくなったりするものです。

でも、そんなときに「これから先こんなことがあるんだよ」「それもいっときのことで子どもは成長していくからね」という見通しを持たせてあげられるのも、私ならではの強みだと思っています。

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