Initiativesくうねあの取り組み

2025.04.30

お絵描きに誘ったことから始まった「妖精ダンス」

仲良くなろうとした小さなきっかけで、お部屋みんなに巻き起こった妖精ブームの物語です。

お話をお聞きしたのは
認定こども園くすの木スタッフ
瀬来(せらい)さやかさん

2023年の春、せせらぎの部屋。

「せせらぎの部屋の担任になった時、私はくすの木祇園からの異動で、あと二人も園舎間異動のスタッフということで、こどもたちとも皆『初めまして』だったんです」
と瀬来さやかさん。

もちろん最初は、こどもたちからあなた誰?ってところから始まって、
とにかく信頼関係づくりからだと、
必ず全員と挨拶と対話を繰り返していたそうです。

異年齢のお部屋構成もあり、当然お部屋の中はまとまらず
新しい環境への緊張や戸惑いから、遊びの雰囲気づくりも難しく、こどもたちもそわそわ。
その中にかえで君もいました。

妖精ブーム

ある日、絵の好きな女の子グループがいて、
妖精の絵を描くのが少しブームに。
そこで、かえで君を誘うと仲間に入り
少しわんぱく系でみんなと距離のあったかえで君でしたが、
少しずつおしゃべりも増えていきました。

かえで君が凄いのは
人の言葉を聞くとそこからアイデアがあふれ出てくるところ。

水の妖精、うさぎの妖精、お花の妖精、ニンジンの妖精…

みんなが言うてんでばらばらなオーダーに
かえで君がスイスイと描いていきます。
ただ言葉通りでなく、連想されるアイデアや工夫をいっぱいにして。

瀬来さやかさんオーダー作品

それってお店になるんじゃないって誰かが言って
「お絵描き屋さん」を始めたんです。

妖精屋 パンケーキ

お店の名前は『妖精屋 パンケーキ』
看板もかえで君がつくりました。

ようせいやパんけーき

次第にお部屋のみんなが常連客になって
かえで君の描く妖精人形が次々に出来上がり共有のおもちゃに。

今日は、作った遊園地で妖精のかくれんぼ大会。
次の日は妖精喫茶店をOPEN。
また別の日は温泉観光する妖精たち、
スーパーで買い物する妖精、とどんどん街が出来上がって
みんなが妖精のお世話したり話しかけたりして夢中になって遊びます。
夏には人気投票をして妖精さん総選挙も開催されました。

妖精さん総選挙2023

『妖精屋 パンケーキ』への支払いは「ありがとうカード」。
妖精人形を描いてもらったら、
絵やコメントを書いた丸い小さなカードを渡します。
かえで君は自分のファイルに貼って集めて
おうちの方にも誇らしく見てもらってたようです。

ヨウセイダンス誕生

もう一人、大きな影響を与えてくれたのが
海外ボランティアで来ていた
イタリアのイラストレーター、ジョさん。
妖精を気に入ってくれていたし、かえで君もジョさんが大好きでした。

海外ボランティア(イタリア)イラストレーターのジョさん

ある日ジョさんが、妖精が動きだしたら楽しそうと
スケッチブックにあった妖精の原画をアニメ化してくれたのです。
その動画がのちに、ヨウセイダンスとしてお披露目されることになります。

宝物

それまで、およそ半年の出来事でした

「初めまして」で始まったお部屋が
ずっと前からここにいたように打ち解けてました。

最後に一番印象に残ったかえで君のことを聞くと
「かえで君が、自分の気持ちを整え、友達に寄り添ったり、優しく接する姿を日々見られるようになったのです。それが一番印象的でした」
こどもが成長するところに立ち会える幸せ。
それが宝物だと教えてくれました。

ぼくたち画伯に作ってもらったよ!

そんないろんな人の宝物になった
妖精ダンスを形に残したくて
マグカップやTシャツなど
ショップくうねあに並べてみました。
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