Initiativesくうねあの取り組み

2025.01.24

「くうねあの環境が私の自信と責任感を育ててくれました」東原園舎主任・ひさえさんのお話

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保護者ライター執筆
この記事は、くうねあの園児・卒園生の保護者の方に取材・執筆を行なっていただきました。

今回のインタビューは、2017年にくうねあに中途入社された東原園舎主任のひさえさんです。長年勤めた別の保育園から転職され、西原園舎と祇園園舎で担任を経験。現在は西原と東原で主任を務めていらっしゃいます。大園長先生も「最初はマネジメントに少し不安そうな印象でしたが、今では抜群の安定感です」と太鼓判を押すほどの存在。くうねあでの経験や、マネージャーになったことで変わった心境、保育やマネジメントで大切にしていることを伺いました。

一度は入社のタイミングが合わなかったくうねあ、あきらめきれずに再度応募

―まず、くすの木保育園をどこで知られたのですか?

以前の職場で一緒に働いていた、なみさん(戸坂園舎・スタッフ)から教えてもらいました。なみさんが先にくすの木保育園で働いていて、『先生を名前で呼んでくれる温かい園だよ』とか『こんな楽しいことがある園なんだよ』って話を聞き、私も働いてみたいと思いました。その後、見学させてもらい、就職の意思をお伝えしたのですが、当時はスタッフが充足していたため一度お断りされたんです。

―そこからどのくらい経ってから再応募したのですか?

見学の翌年、東原園舎と戸坂園舎ができるタイミングで保育士の募集があり、なみさんが『もう一度話を聞いてみない?』と声をかけてくれました。そこで再び応募し、採用していただけました。忘年会で大園長先生が『ひさえさんは一度お断りしてしまったんだけど、もう一度くすの木に挑戦してくれたしぶとくたくましい方』と紹介してくださったことが印象に残っています(笑)。少し恥ずかしかったけど、園の理念に合っていると思ってもらえたのが嬉しかったです。

―くうねあに転職して良かったことや、苦労したことはありますか?

一年目にやすよさん(元・西原園舎スタッフ)とかおりさん(元西原園舎スタッフ)と一緒に仕事をできたのが、一番良かったことです。本当に毎日が楽しくて、『保育園に行きたくない』と思った日は一度もありませんでした。
逆に苦労したのは事務作業のデジタル化です。前の園ではほとんどが手書きだったのに対し、くすの木保育園ではパソコンを活用していました。最初はとても苦労しましたが、やすよさんやかおりさんに迷惑をかけないよう必死で頑張りました。自宅でパソコンを買って練習するほどでした。当時35歳で、『転職活動はこれが最初で最後』という覚悟があったので、前向きに取り組めたと思います。

―他の保育園と比べて、くうねあの特徴を感じた点はありますか?

子どもたちを大切にするのはどこの保育園でも同じだと思いますが、くすの木保育園は働く大人も大切にしてくれると感じます。大園長先生がスタッフ一人一人に親身になってくださり、『最近どう?』と気にかけてくださるんです。
また、一人一人への丁寧な保育を目指しているからこそ、スタッフの配置人数も多かったり、子どもたちに寄り添った接し方など、改めて素敵な園だと実感しています。毎日が学びの連続です。

くうねあのみんなや家族に支えられて、今がある

西原園舎と祇園園舎で担任を務めた後、ひさえさんは主任として東原園舎に異動しました。主任としてのスタートは、担任業務との兼務。お部屋の運営に加え、書類確認やスタッフの相談対応、外部との連携など、その役割は多岐にわたります。当時を振り返りながら、ひさえさんが大切にしてきた想いやエピソードを伺いました。

―主任を任されるお声がかかったのはいつ頃ですか?

祇園園舎で担任をしていたときでした。当時乳児さんのクラスを担任していて、階段を慌ただしく上がっていたら、大園長先生にすれ違いざま『主任をやってみない?』と声をかけていただきました。そのときのことは今でも覚えています。『今ここでその話ですか?!(笑)』と思う一方で、『私でいいのだろうか?』という思いもありました。

―主任としてのスタートは、どのような日々でしたか?

東原園舎での主任スタートは担任業務との兼務でした。『まずは担任の仕事を優先していいよ』と言っていただき、当時一緒に主任を務めていたゆいさん(戸坂園舎・園長)がたくさんカバーしてくれました。心強かったです。

―主任になって、どのような業務が増えましたか?

担任としてお部屋の運営だけでなく、書類の確認やスタッフの相談に乗ったり、外部との連携もありました。

―当時、お子さんも少年野球に入られて、仕事もご家庭も両立は大変だったのではないでしょうか?(少年野球といえば、休日も早朝から晩まで付き添うイメージです)
※実はインタビュアーも当時ひさえさんに三男の担任を担当していただき、お迎えのときなどお互いの子育てに関する話もさせていただいていました。

本当、両立できるかなって思ったんですけど…なんとか元気に過ごせました!(笑)

―仕事内容が変わり、同じタイミングで休日もお子さんのことで朝早くからかかりきり・・・お話を聞いているだけでもハードな日々を想像してしまいます。

くみさん(西原園舎・園長)が『ひさえさんならできる』と背中を押してくれました。私にはその力があるからと。『やりきった姿を見たい』と言われて、頑張ってみようと思えたんです。そこを乗り越えて『私でもできるんだ』という達成感にもつながりました。そして、家族やスタッフ、一緒に働いていた相方のスタッフの支えが本当に大きかったです。私は器用な方ではないですが、いつも周りの人が助けてくれるんですよね。本当に人に恵まれていると感じています。

―最近いろんな先生方のインタビューをしていて、皆さん同じように人に恵まれていると仰っている気がします。

本当にそう思います。出会いって自分を成長させてくれるものだと実感しています。私は特別な才能があるわけではないと思っていますが、コツコツと続けていく中で、『コツコツ続けること自体が素晴らしいことなんだよ』と声をかけていただくこともありました。くすの木に来て初めて、自分は自分のままでいいんだと認めてもらえた気がしています。そのおかげで、ここまでやってこれました。

―信じて任せてもらえたり、支えあったり、素敵な関係性ですね。

くすの木の大人同士の関係性は本当に素晴らしいです。お互いをリスペクトし合い、みんなが自分事として頑張ろうという気持ちを持っています。全員が同じ方向を向いているので、一体感を強く感じます。西原も東原もどんどんパワーアップしていますが、それはスタッフ一人一人の努力のおかげです。

―マネージャーとして心がけていることはありますか?

自分の担当の仕事だけでなく、みんなの仕事も自分ごととして捉え、一緒に頑張ろうという気持ちで接しています。私は現場経験が長いので、現場の気持ちも理解できますし、今はマネジメント層の立場もわかるようになりました。その二つをうまく繋げる存在になりたいと思っています。自分の一生懸命さが相手にも伝わり、一緒にくすの木を作り上げていけたら嬉しいです。そうして一緒に取り組むことで、『話しやすい人だな』と思ってもらえるかもしれませんし。

―さやかさん(東原園舎・スタッフ)も、異動後にひさえさんに声掛けをしてもらえたおかげで馴染めて、今では『東原楽しいよ』って言えると仰っていました。

東原園舎のみんなは本当によく笑うんです。他愛のない話や世間話も、とても大切だと思っています。特に異動してくると最初は緊張や不安があるものですから、その不安を少しでも和らげてあげたいと思っています。私自身も、そうしてもらった経験があるので。

―最後に、これから挑戦してみたいことなどはありますか?

役割が変わった今でも、新しいお話をいただいたり、挑戦する機会がたくさんあります。何事も前向きに捉え、挑戦を続けたいと思っています。やってみないとわからないことも多いですからね。昔、『頼まれ事は試され事』という言葉をいただいたことがあり、その気持ちでチャレンジしてステップアップしていきたいです。
また、大園長先生が大切にしていることを私たちも共有し、大切にしていきたいです。一緒にくすの木を盛り上げていくことが目標です。立場が変わったことで、担任の頃には『お部屋を良くしたい』と思っていたのが、今では園舎全体、さらには『くすの木』全体をどう良くしていけるかを考えるようになりました。その中で責任感もより強く感じるようになりました。

インタビュー後、インタビュアーとひさえさんは子育ての話題で盛り上がりました。その中で、心に残る素敵なエピソードをひさえさんが話してくださいました。

―もうお嬢さんも小学校高学年なんですね。

そうなんです。この春で小学校最後の年になります。今ではご飯を炊いたり、卵焼きを焼いたりもできるようになりました。本当に大きくなったなと思います。最近、エコバッグにペンで『ママいつもありがとう』って書いてあったんです。仕事も忙しくてあまり家にいる時間がなかったけど、これを見たら『私の子育て間違ってなかったのかな』って。一緒にいる時間は少なくても、子どもと一生懸命向き合ってきたその積み重ねが、こうやって形になったのかなって感じています。

ひさえさんの一生懸命な姿は、スタッフやご家族に伝わり、その思いが温かいサポートや感謝につながっていると感じました。インタビューを通して、子どもたちを担任していただいていた頃からのひさえさんの変化を感じ、当時は知らなかった思いや歩んできた道のりを知ることができました。

ライタープロフィール

石井さん[PTA 会員No.002]※
2010年・2015・2017年生まれの三人の息子の母です。2013年に長男がくすの木保育園に入園したことをきっかけに、次男三男の卒園まで計11年間、我が子がくすの木保育園で過ごしました。卒園後も古民家で引き続き保育園時代のご家族と交流させてもらっています。今後はくうねあWebマガジンの執筆を通して、長年子どもたちがお世話になったことへのご恩返しができればと思っています。
趣味はお片付け。毎日三人の息子たちと戦いながらおうちを片づけています。

※PTAとはParents Team Authors(執筆・保護者チーム)の略で、執筆を引き受けてくれた保護者の方たちのチーム名です。
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